- 2024年4月1日
- 2024年3月31日
当院での気管支喘息の診断と治療について
新年度が始まりますね。当院も来月で1周年を迎えようとしています。また、入学や就職等で新しいステージへ進まれる方も多いと思います。
当院も、今年度が飛躍の2年目となるように、診療体制や医療機器の充実をなど行い、受診される皆様の健康に貢献できるように努力してまいります。
さて、今回は当院での気管支喘息の診療について簡単に書いておこうと思います。『当院の』とタイトル付けしていますが、ガイドラインに準じた診断、治療を心がけていますので安心してください。気管支喘息で治療中の方や、喘息かも? この前の院長の説明よくわかんなかったなーという方は読んでみてください。
《喘息とは?》
アレルギーなどが原因で空気の通り道の気道に慢性的な炎症が起こってしまう病気です。
気道がほこり、ダニ、冷たい空気、気圧、運動などの刺激に過敏に反応してしまうため、せきや息切れ、ひゅーひゅーぜいぜいしたり、胸の痛みなどの症状を起こす上、放って置くと、呼吸機能が低下してしまい、将来的にタバコを吸ってなくてもタバコを吸っていた人と同じような呼吸機能になってしまいます。
《喘息の診断》
喘息の診断基準はありません!!
診断の目安という6項目があり、これらの所見から総合的に診断します。
1.発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳
(夜間、早朝に出現しやすい)の反復
2.可逆性の気流制限
3.気道過敏性の亢進
4.アトピー素因の存在
5.気道炎症の存在
6.他疾患の除外
具体的には、どのような検査をするのでしょうか?
問診や呼吸機能検査、採血(アレルギー検査)、画像検査(胸部レントゲン、CT)などを行い、診断を進めていきます。
《喘息の治療》
喘息治療の主役は吸入薬(吸入ステロイド)となります。一般的には、吸入ステロイドと気管支拡張薬の合剤が広く使用されています。内服薬として、抗ロイコトリエン受容体拮抗薬やテオフィリン製剤がありますが、あくまで補助的な薬剤です。また、アレルギー性鼻炎、喫煙、ホコリ、ダニなど喘息が悪くなる原因がある場合、その治療も重要です。
《生物学的製剤》
上記のような治療を行っても、どうしても症状が取れない、発作を繰り返してしまう場合、重症喘息となります。日本では喘息患者さんの約10%が重症とされており、このような方では発作で使用する内服のステロイド使用が多くなり、喘息とステロイド内服の副作用のダブルパンチで健康寿命が低下してしまいます。そうならないため、重症患者さんでは生物学的製剤という注射製剤を使い、治療をしていきます。
当院でも、一定数の生物学的製剤を使用している方がいらっしゃいますし、注射が必要な方には適宜お声掛けをしています。