- 2023年10月2日
今季のインフルエンザワクチン接種について
こんにちは、どうもブログのテーマが感染症の動向に引っ張られている院長です。
いきなり、テーマからそれてしまいますが、新型コロナやインフルエンザに混じって、咽頭結膜熱(プール熱)が増加傾向です。
(国立感染症研究所HP 感染症発生動向調査より引用 idwr2023_37 (niid.go.jp))
上のグラフは青い棒が今年の数、赤い線が過去5年の平均となっておりますが、ここ3週間で例年を上回るペースで激増しております。予防に特別なものはなく、手洗い、うがい、マスク等の一般的な感染対策となります。
さて、本題に入りますが、今年は9月に入り、横須賀市でもインフルエンザ、新型コロナによる学級閉鎖などが起こっており、インフルエンザに既に感染された方も例年より多いと思います。
このような状況でも、果たしてインフルエンザワクチン接種をしたほうが良いのでしょうか?と外来でも何人かの患者さんから質問をいただいたので、このブログを借りて説明をしようと思います。
まず、大前提として、なぜ接種が推奨されているかというと、以下のような理由があります。
・インフルエンザワクチンは、感染を50%減らし、インフルエンザで死亡する人を80%減らす効果がある。
・高齢者や基礎疾患(呼吸器疾患、心臓疾患、糖尿病、がんなど)がある人は重症化し、死亡するリスクがある。
・健康な人も身近な高齢者や基礎疾患がある人に感染させ、重症化させる可能性がある。
これらの事実から、米国のCDC(疾病予防管理センター)という世界的な感染症対策の組織でもワクチン接種を推奨しています。
高齢者ではインフルエンザ接種に加えて、新型コロナ、肺炎球菌ワクチンの接種も行うことも重要です。
また、ワクチンの効果は、少なくとも5-6ヶ月は持続し、効果が出てくるまでは2週間程度かかります。
先日、日本感染症学会は今シーズンも接種を推奨する提言を出しており、インフルエンザ患者が既に増加傾向となっている現在、なるべく早い接種が必要と考えます。
2023/24 シーズンにおけるインフルエンザワクチン等の接種に関する考え方
提言の中には、ここ2、3年はインフルエンザの大きな流行はなく、コロナ前と比較し、インフルエンザの抗体価の低下している可能性が高く、冬期に新型コロナとの同時流行する可能性も・・・という記載もありました。
その場合、いつぞやのように、医療機関がパンクして、中々病院を受診することができない、なんてことがまた起こり得るかもしれません。
というわけで、基礎疾患がある方や、そのご家族、この冬に受験など大事なイベントを控えている方は、どちらの医療機関でも構いませんので、是非接種をご検討ください。