• 2024年5月20日
  • 2024年5月27日

妊娠中の喘息の治療はどうすればいい?

喘息で治療中の妊娠を希望される方、妊娠中の方でたまに妊娠をきっかけに治療をすべてやめてしまう方がいます。

とくに、吸入ステロイドはステロイドが入っているから、危険そうだから、吸入したくないという理由です。

理由は単純に、妊娠中は喘息発作を起こしやすくなり、妊娠中の喘息発作は母体に加えて、

胎児にも影響があるからです。

妊娠中に喘息が悪化しやすい理由としては、妊娠中期以降に子宮が大きくなり、横隔膜が押し上がられたり、ホルモンバランスの変化、1回に吸える空気の量が増えて、息苦しくなりやすかったりすることが挙げられます。

また、喘息が重症だったり、発作を起こすと、胎児に栄養や酸素を十分に供給することができず、流産、早産、胎児発育不全のリスクが高まります。

当院にも、妊娠中に吸入ステロイドをやめてしまい、発作を起こして産婦人科の先生に

「しっかり、喘息の治療をしなさい!」

と指導されて来院される患者さんが少なからずおりました。

妊娠中に使用しない方がいい薬剤はありますが、

仮に、内服のステロイドで喘息をコントロールしないと行けない場合、内服の量はmg単位(プレドニゾロンという薬剤だと大体5-10mg程度)となりますが、吸入の場合はμg単位で、体に入る量は1000分の1程度の量となり、吸入薬であるため、肺にしか作用しません。

しかし、内服でステロイドを長期内服する場合、糖尿病、骨粗鬆症、血栓症などのリスクがあるため、どうしても内服しなければいけない疾患や病態以外には投与は行われません。

たとえば、喘息だと発作を起こしてしまった場合は、胎児にも危険な影響があるため、やむなく投与を行うことがあります。

つまり、妊娠中に喘息治療を中断して、発作を起こしてしまうと、母体、胎児ともに危険な状態になるリスクがあり、かつステロイドの内服など全身に影響のある治療をせざるを得ない状態となります。

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