睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時に呼吸停止、または低呼吸になる病気のことです。 「イビキがうるさい」「日中の眠気がある」「朝起きると体が重い」のいずれかがあれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)が疑われます。

SASの原因は、肥満や加齢、扁桃肥大、鼻詰まりなどが原因ですが、SASというと太っている人の病気というイメージが強いかもしれませんが、日本人の場合、痩せている方でも骨格的に顎が小さく無呼吸が起こりやすいです。痩せている方でもパートナーや家族に激しいイビキや呼吸停止が指摘された方は一度検査を受けることが必要です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まり、十分な睡眠が得られないことによって日中の眠気を催します。その他の症状としては、倦怠感、熟睡感がない、起床時の頭痛、夜間頻尿、などがあります。適切な治療しないと、交通事故、高血圧や糖尿病の悪化、心筋梗塞や脳卒中の可能性が高くなります。また、日中の眠気等により生活に悪影響が出がちですので、放置するのは危険です。

CPAP療法による治療

SASが疑われる場合、簡易のスクリーニング検査やPSG検査(Polysomnography検査=睡眠ポリグラフィー検査)を行っていただく必要があります。
検査の結果、医師が判断した場合、治療法としてCPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法)を行います。
CPAP療法は、鼻や口に装着したマスクから空気を送り込み、気道に圧をかけることにより、気道の閉塞を取り除く治療法です。その結果、睡眠中のイビキや呼吸停止が改善し、中途覚醒や不眠に悩まされることが少なくなり、日中の眠気や集中力低下が解消されます。
中等症から重症の患者さんにとても有効で、睡眠時無呼吸症候群のスタンダードな治療法です。